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自転車とお菓子作り

エベレスティング @岩波の坂

先月5月26日に「エベレスティング」というチャレンジを行った。

 

「エベレスティング」とは何か。

簡単にいうと、一つの登り坂をエベレストの標高8,848mに達するまで登って下るを繰り返すことである。

 

いつか機会があればやってみたい気はしていた。ヒルクライムのチャレンジということで、自分の分野のようにも思えるし。

とはいえ、何がなんでもやるぞ!とは思っていなかった。やらないまま自転車人生を終えても、まあ別にかまわない、というくらいの考えであった。

 

ところが、少し前にStravaで「6月中にエベレスティングを達成すると記念ジャージが無料でもらえる」というイベントが始まることを知る。

 

https://8848.lecol.cc/

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単純なので「タダでもらえるならこの機会にやってみるか〜」と、実行する気持ちがむくむく湧いてきた。

今年は富士ヒルにエントリーしておらず、ちょっと目標も見失っていたのも大きかった。

 

それで、6月の実施を目指して、5月中旬からコースの検討や、練習ボリュームの積み上げを始めたのであった。

 

しかし6月といえば梅雨の時期。天候がどうなるか分からないところもある。

天候は、成功率を大きく左右する要素だろう。そもそも雨が降りそうな時はやりたくない。

「Le Col × Strava」のイベント期間中にと考えていたが、別にそれにこだわらなくてもいいんじゃないか、と思えてきた。

 

さらに、きっかけとなった無料ジャージだが、ちょっとXを探ってみると、ジャージ自体は無料だけど送料と関税がかかるとかなんとか。

なんだ、それならジャージはいらないかな。

 

5月の最後の日曜日、26日は間違いなく晴れる予報。

そこで実施するか。

練習期間はもう少しほしかったが、すぐにやったとしてやれないこともない気がする。

少し悩んだけど、意を決してその日に決定した。

 

コースは近場で走ってみた中で、芸工大近くの岩波の登り坂に決めた。

 

もともとStravaにセグメントはあったが、交差点でのUターンを避けるため、若干区間を短くしたセグメントを新たに設定した。

(その結果、緩斜面部分をカットできて平均勾配があがった)

 

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距離1.77km 獲得標高122m 勾配6.9%

 

この坂を73回登るとエベレスティング達成である。

 

エベレスティングに適した坂というのもある。

勾配が上がるほど総走行距離は短くなり、タイムを短縮できるため、7〜8%が良いとも言われている。

 

でも実際走った感じでは、このくらいの斜度の方が、私の脚力に合っていると感じた。

 

車通りは皆無というわけではないが、道も広いため走行には問題ないだろう。

一部、道がガレている箇所があるため、そこだけ避けるように注意。

 

そういえば、私の個人的な思い出なのだが、ロードバイクを買って最初に西蔵王に行った時に通ったのが、この道なのだった。この区間の少し先で、勾配がキツくて足を付いたことを思い出す。

 

 

バイクはもちろんTarmac SL8。

記録はGarmin Edge 520。まあまあ年季の入った機種なのでバッテリーが心配。途中の充電は必須である。

どうせなら走りながらでも充電しやすく、と、小型軽量のモバイルバッテリーを購入した。

予備で、Garminのリストウォッチvivoactive 3でもログを取ってみる。ちゃんと記録できるのか分からないが、一応。(結果、やっぱり途中までしか記録できていなかった) 

 

補給食は、ほぼ全て家にあるものでいいや、という感じで揃えた。

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・バナナ 5本

・羊羹

  ・大きいのはあらかじめ切り分けておく

  ・小型羊羹

 

・塩おにぎり(中に梅肉)4個

・写真にはないけど、フルーツゼリー1つ

 

・ドリンクはActivikeの「スピードウォーター」にパラチノースを混ぜる。2L

(ロングライドには「グランフォンドウォーター」が良いのだろうけど)

 

・ただの水 2L(凍らせておく)

EAA 2袋

 

 

前日の土曜日はレストにして機材の準備。

本番コースを軽く3本ほど試走した。

補給食の準備。

 

9時くらいに就寝した。

 

当日は2時前には起床。

3時スタートと考えていたが、なんやかんや準備に手間取り、3時30分スタートに切り替える。(経過時間が分かりやすいので、切りの良い時間に開始)

 

車で現地に行く。

頂上側のUターン箇所に、補給食、ドリンク、モバイルバッテリーを置いておく。近くの駐車スペースに車を停める。

 

一旦下まで下って、そこからスタート。

やばい。暗い。

思った以上に道が暗かった。上の方はほとんど明かりがない。

真っ暗な中スタートとなったが、3本ほど上ると少しずつ空に明るさが出てきた。

 

この日、朝はけっこう気温が低かった。

でも腕と脚にカバーを着けてベストを着ていれば凍えるほどでもない。

 

ペースは、とりあえず170~190W(3.4〜3.7W/kg)くらいを保って走る。

体調が十全であればこのくらいが長時間持続できるペースのはず。といってもせいぜい4時間走る場合において、だが。それ以上は経験がない。

 

エベレスティングは時間にしてその3倍以上かかる。

しかし下りはレスト、ということになるから、ある程度は踏んで大丈夫なのかどうか。

そのあたり未知過ぎてよく分からん。

 

だから目標タイムもあってないようなもの。13時間くらいか。できれば13時間切りたいな、とは思ったが、どの程度現実的なものなのか、見当がつかない。

 

 

走りながらおにぎりや羊羹を食べる。

登りの途中で咀嚼するのは、ちと呼吸がしづらかった。そこで、登り終えるタイミングでパクッと口に入れて、下りながらモグモグする手法で行く。

 

20本登って最初のストップ。

以降は10本ごとにストップした。

止まっても長く休憩せず、ボトルにドリンクを補充して、食べ物を2つ3つポケットに入れてすぐに再スタート。

 

エベレスティングは、休憩も含めた合計タイムが記録タイムとなる。なるべく休憩時間を短くして、トータルタイムを短縮したい、という作戦。

 

30本(3600m)でレッグカバーとベストを外す。それから2,3本登ってアームカバーを外した。だんだん日が高くなり、暖かくなってくる。

 

だいたい4000mくらいに達したところだろうか。

トラブル発生。フロントの変速が動かなくなった。バッテリー切れか! そういや買ってから一度もDi2の充電をしていなかった…。

 

初歩的なヘマである。ガーミンのバッテリーだけ心配して、Di2のことはすっかり頭から抜けていた。

 

Di2の充電の受け口ってUSB-C?(初めてだから分からん)もしそうならモバイルバッテリーで充電できるのでは? と期待したが、次のストップの時に見てみたが、独自の規格であった。

 

さいわいリアの変速はまだ動く。が、ガチャガチャ動かして変なところで動かなくなってもいかん。あまり使わないようにしないと。

下りは、SL8のエアロ性能を信じて完全に脚を休める。

 

それで、登りにちょうどよいギアを探っていたのだが、これまでより一つ重めのギアを踏んでいると、なかなかに掛かりが良い感覚がある。

 

今まで楽に走りすぎていたかも? などと思えてきて、気づくと4.0~4.5W/kgくらいで踏んでいた。

 

…調子に乗りすぎたようだ。

5000mを超えたあたりから急に脚がツラくなってくる。

 

そんなとき、山の上からロードバイクが来るな、と思ったらSasakiさんであった。

Zwiftで知っていたお方だが、リアルで会うのは初めて。あのMarken社のゴリラジャージを着ていらっしゃる。

あれだけZwiftの世界で見ていたMarkenが現実世界に現れると、なんだか可笑しかった。

 

Sasakiさんが去ったあと、続けてさいとうさんが来てくれた。差し入れでウイダーインゼリーも渡してくれた。ありがとうございます。

 

せっかくならお二人には颯爽と走っているところを見てもらいたかったが、現実はもう疲労困憊でフラフラ。

 

さいとうさんも行ってしまって、残り20本くらい。これから2000m以上も登るのかと思うと気が遠くなりそうだった。

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(Sasakiさんに撮ってもらった写真)

 

脚の筋肉が疲弊しきっていて、絞り出して150W(3W/kg)が限度。ただただ惰性で漕ぐだけ。

 

70本で最後のストップ休憩。

 

計算上は73本で標高8,848mをクリアとなる。

…のだが、もはや数えている本数が正しいか自信がない。

ガーミンの累積標高は正しそうだけど、万が一足りていなくて達成できなかったら…、非常にバカげたことになる。

 

そうはいっても予備でもう一本走っとく、なんて気力はなかった。 身も心もズタボロの状態である。一刻も早く終わりたい。

 

73本走ったところで終了。

特に達成の喜びが込み上げてくるのでもなく、終わったことの安堵が9割、 もし達成していなかったら…という不安が1割。そんな感じである。

 

そそくさと荷物をまとめて、車に乗り込んで帰る。

ちょうど出掛けていた妻から連絡があったので、駅に迎えに行き、一緒に帰った。

 

家に帰ってお風呂に入って、ゆっくりご飯を食べた後、認定の申請を出した。

 

 

…それから1週間くらい経った頃、正式に認定したと連絡が来た。

エベレスティング達成!

無事、認められて安心した。こんなことやり直したくないからね。

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