一月中に、と言われていたホイールがぎりぎりになり、ついに入荷した。連絡を受けた僕は喜び勇んで自転車を車に乗せ、店に向かった。たいへんウキウキした気分で店に入ると、店主は開口一番「これ疲れるよ、前のホイールの方がいいと思うかもしれないな」「買ってうれしいのは最初の３ヶ月だけだからね」などと言った。
（念願のホイールを手にして大いに沸き立つ喜びに、ざばざばと水を指す発言である。大枚をはたいて買ったのである。店主の攻勢に負けず、自分の心を強く持ち、支払った分の喜びを噛み締めなければならない、と思った）
ホイールを取り付け中に、店主は「あれっ」と声をあげた。このホイールには専用のブレーキシューが必要なのだが、なんと間違ってカンパ用のが届いていたという…。あらためてシマノ用のを取り寄せてもらって、あとガーミンのマグネットも専用のが必要らしく、それも注文した。パーツが来るまでバイクはショップに置かせてもらうことに。まあ、どうせすぐには乗れないからいいのだけれども。そうだ、ブレーキシューが来た暁には、雪のない仙台にでも試走に行こうかな！
（そのときは間違っても「疲れる」などと思ってはならない。ただただ回転の軽さに感動しなければならない。3ヶ月などと限定されない、永きにわたる栄光を予感しなければならない。自分の心を強く持たなければ、と思った）
