HAGIBLOG

自転車とお菓子作り

山形 道の駅 買い食いライド

悪い癖なのだが、以前はろくにものも食べずに自転車に乗っていることがけっこうあって、そんなときはたいてい途中でヘロヘロになったりしていたのだ。そんな癖を改めようと、「道の駅買い食いライド」という、その名の通り途中途中の道の駅で買い食いをしながらツーリングをするというのを思いつき、最初に回ったのが5月。それはサイクリング日記にしようと下書きまで書いていたのだが、なんとなく公開していなかった。

そうこうするうち、つい先日、同じコースを回ってきた。2回分、並べて書いてみる。

 

5/25土曜日 午前8時42分

というわけで出発。まずは山形市街地から県民の森方面へと向かいます。ルートは山越えからなんだよな…。延々続く上り斜面。出だしからエネルギー消耗がはなはだしい。それにしても、人の体は食べものをとることによって動くのだという単純な原理を、自転車に乗ることで初めて実感しましたよ、ほんとうに。エネルギーが枯渇すると人はほんとうに動けなくなる。それはそれで新鮮な感覚であった。ああ、自分はリアルな生き物なのだなあ、みたいな。

県民の森を越え、大沼を通り過ぎ、道端にある亀の子の湧き水で給水。冷たくておいしい。ボトルも満タンに。

7/20土曜日 午前8時58分

8時には出たいと思っていたのが、いつだって出発は遅れがちになる。今週は雨の多い一週間だったが週末は土日とも晴れると誰かが言った。いきおいペダルを踏み込む脚にも力が入った。さあまた行くのだ。走りに。あるいは食べに。走るには食べなくちゃいけないのだし、食べにいくためには走らなくてはいけない。

県民の森を上りきり、水分補給を行うべく亀の子の清水で小休止。亀がすごい勢いで水を吐いている…。いつもはちょろちょろと垂れているだけなのに。先日の大雨の影響か。

20130525亀の子の水

20130720

 

【第1エイド】白鷹ヤナ公園 あゆ茶屋

お次は下り。山を一気に駆け下りて白鷹町内へ。287号に折れて少し行くと、道の駅「あゆ茶屋」に到着。なにはともあれ名物の鮎の塩焼きをいただきましょう。この塩っけが塩分補給になります。ついでにやな場を見学。「日本一のやな場」と謳っているわりに、降りてみるとゴミがけっこう…。こんなところで鮎なんかとれるんかいな。

いやはや最上川は真っ茶色。こりゃ大変だ。やな場はとんでもないことに。とはいっても、川がこんな有様だからね、今日は鮎はないんですよ、とは言わずに売店ではあいかわらず鮎が焼かれている。この鮎はどこから来たものなのか。まあどこからだって構いやしないが、今日は鮎はやめておこう。豆腐田楽、それときゅうり漬け。

20130525あゆ塩焼き

20130720

 

【第2エイド】道の駅おおえ

最上川沿いを北上。快調に飛ばして行こう。本日は晴天なり。朝日町のりんご温泉を通り越し、大江町の道の駅へ。こちらでは韓国の屋台が出ています。チヂミかチャプチェをいただきましょう。この前はチヂミを食べたので、今回はチャプチェ。これがたいへんおいしい。「キムチも少しもらえませんか?」とおねだりすると、どっさりのせてくれました。すばらしい。わらびのキムチが美味。

ここまでの行程で60kmくらいか。少し疲れてきたころですが、次のエイドまでは距離が近いのでリズムよく進みます。

コーヒー牛乳のような最上川。本日の天気は良好。しかし先般の大雨ではあちこち土砂崩れがあったと聞いている。この道にも泥が流れたような跡が残っている。土砂なんかで道を塞がれたら、たちまち立ち往生だ。ロードバイクが走れる路面条件なんて、じつはかなり限られたものだ。そうした潜在的不自由さを抱えながら、にもかかわらずある一定の条件が整ったうえでは蝶のように軽やかな自由を夢見させてくれる、そんな乗り物を駆りつつ、大江町の道の駅にたどり着く。

楽しみにしていた韓国料理の出店がなかった…。今日もチャプチェにキムチをサービスしてもらって食べようと思っていたのに。代わりに、あんドーナツ1個。

20130525チャプチェ

20130720

 

【第3エイド】チェリーランド

道の駅寒河江、通称「チェリーランド」。よくわからんが大変なにぎわいである。食べもの屋もたくさんある。アイスが有名ではあるけど、ここではトルコ料理の屋台から一品、ドネルケバブを頼みましょう。スライスした肉はボリュームたっぷりで、お腹に充実感が得られることでしょう。自販機でコーラを買って、寒河江川の土手で食べる。家族連れがわあわあ遊んでいる。のどかですな…。

シシケバブを頼むと、5分くらいかかるという。なので、すでに焼かれてある肉を挟むだけのドネルケバブにした。ケバブを土手で食っていると、「どっから来たのか」と聞いてくるおじさんがいた。話を聞くと、ご自身も自転車に乗られている60いくつのお方。この前のツールさくらんぼにも出たとか(あれ、最年長で出た人じゃなかったっけ)。人と一緒に走ると楽しいよ、と諭された。それに、独りで走っていると自分に甘くしてしまうからね、と。

そうですなあ。たしかに、もう少しがんばって早く来ていればよかったなあ。というのも、本日ここチェリーランドには安倍晋三総理大臣が来ていたのであった。つい先ほどまで街頭演説を行っていたらしい。ちょうど終わったところに到着してしまった。あと20分、いや5分だけでも早く来ていれば選挙カーの上に立つ首相のお姿を拝見できただろうに。

20130525

20130720

 

【第4エイド】道の駅 河北

チェリーランドから河北まではすぐそこ。秘伝豆ソフトクリームをぺろり。

河北町の道の駅、ここはソフトクリームくらいしか食べものの選択肢がないかと思っていたら、豆乳レアチーズケーキというものもあった。それも200円で安い。ぱくり。

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20130720

 

【第5エイド】道の駅 天童温泉

最終エイド、「天童温泉」。ここの一押しはなんだろう? 暑いからかジェラートが人気のようだが、アイスはさっき食ったしなあ…。けっきょく中の売店で盛りそばを注文。ずるずる。ついでに足湯にも入っていきましょう。お湯が熱っ!

あとは山形市に帰るのみ。残りの道のりもあとわずか。これくらい食っていればエネルギーは充分。というか、お腹がいっぱいになった…。普段は小食でも、自転車に乗ればそれなりの量を食べられるものである。

午後4時2分 家に到着。109km。

天童温泉はジェラートのダブルで。イタリアンバニラとトマト。

断水で足湯もトイレも使えません、とのこと。これも大雨の影響か。かたや河川は増水、かたや水道は断水。水の流れというのはかくも不安定なものだ。人間の体だって同じである。自転車に乗ってちょっと走ってみれば、少なくない分量の水分とエネルギーはあっという間に失われてしまうだろう。だから、食べられるだけ食べること。口に詰められるだけ詰め込み、もぐもぐと咀嚼し、ごくりと飲み込むこと。それが、あやうい均衡を瀬戸際で保ちながらもなんとか生きるために走ることを可能にする、たった一つの処方なのだ。だから、食べること。もっとたくさん。

午後3時5分 家に帰ってほぼ100kmぴったし(前回のが距離が長いのは天童で道に迷ったため)。

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