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HAGIBLOG

自転車とお菓子作り

山形-秋田 213km/ ひとりぼっちの「ツールド東北」へ

東北 自転車 自転車日記

20130804

 

目が覚めるとすでにお昼近い時間でガクゼン…という夢を見た。焦って目を覚まして時計を見ると5時前。そのうちアラームが鳴った。目覚まし時計より早く起きる、待ち望んだ遠足を迎える朝の、正しい起き方じゃあないか。

今日から遠足を始めようと思う。もちろん自転車で。

さあ早く出よう。走ったことのない距離だから、どれだけ時間がかかるのかわからない。さっと荷物の確認をする。携帯、財布、補給食は持った。着替えは、かさばるから持っていかない。短パンと薄いウインドブレーカーだけ持っていく。できるだけ身軽にしよう。いつもの乗り方のままで。遠くへといっても、いつもの道の延長に過ぎないじゃないか。

 

5時30分スタート。朝日がまぶしい。

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30km地点、1時間ほど走ったところのコンビニで最初の休憩。

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雲行きがあやしい。このところずっと雨ばかりが続いていたが、この週末は晴れマークがついていたはずだった。昨日は天気予報を確認していなかったが、晴れに決まっている。そうじゃないのか…?

ああ…雨が、降ってきたんである。空からの雨粒とタイヤから吹き飛ばされる飛沫で、あっという間にぐしょぐしょ。早めに降りやんでほしい。一日この天気を走るのは、つらい、というか気分的に惨め。カラッと晴れてくれれば、こんなのすぐに乾くのになあ。おまけにガーミン510のナビが不調で動いてくれない。このあたり、村山から47号線へ出る道は最短ルートを確認しながら進みたいところではあったが。

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幸いにして、雨は上がった。道も、そんなに遠回りせず47号に出たようだ。最上川に突き当たる。ここから西へ。酒田へ。

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45号線に入るとき、ちょうど、4、5台くらいで走行している自転車が後ろにちらっと見えた。どうしよう、先行していると、変な競争心というか見栄が芽生えてしまう。いやいや、こんなところで頑張ってしまうと後で走れなくなるぞ、むしろさっさと追い抜かれた方がいい、でも追い抜かれたら後ろについていこう…などと、ごちゃごちゃ作戦を考えてしまう…。

 

結局追いつかれず、戸沢の道の駅に着いた。わあ、まるで韓国のテーマパーク!

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一通り見て回って、売店に戻ってくると、さっきの自転車連中が休憩していた。大学生の自転車部っぽい感じの男女だ。バックを自転車の両脇にたくさんつけて、キャンプツーリングかな。いいなあ、楽しそうだな。学生時代こんなことをしたかった。…いや、それは「いま思えば」ということで、じっさい当時はそんなことをしたいとは露ほども思っていなかった。まあ、いまだってキャンプツーリングのようなゴテゴテした乗り方は、それほどでもないというか。軽さが身上のロードバイク、できるだけ軽いまま乗りたいよね。

そんなわけで単独行動が学生時代からの常、というわけでもなくもないけど一人でシッケを飲んで石焼ビビンバを食べていたら、不憫に思ったのか売店のおばさんがにこやかな笑顔で話しかけてくれた。先日の大雨では水が近くまできたこと、息子さんが小学生のときに学校の行事でサイクリングに一緒に行き、息子さん一人だけ足を着かずに坂を上りきったこと。この前成人式を迎えたが親には反抗していること…。おばさんにお礼をいって出発するころ、雨がまた降ってきた。

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さみだれを集めて早し、と詠まれたわけで、まあ僕もこつこつと走行距離を積んでいこう。国道47号線はわりと車通りも多く、工事もしていたりで走りやすくはない。けど、きつい峠があるのでもないので、まあまあいいペースで進んできた。この新庄ー酒田区間は電車を利用することも考えた。でも自走で問題ないよね…。はたして、その判断は間違っていないものか。この先、ほんとうに最後まで走れるだろうか?

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47号線から345号線へ。最上川はまだ隣で並走している。このへんは起伏のない田んぼ道の、どこまでも延々と続く道。だけど視界に風車がある、それだけでいつもの道とはちがう、海に近い土地を走っている感じがある。風は…どうだろう、吹いているのかどうか。ペースが上がらないから向かい風のような気もするし、単にもう脚が重くなってきたのかもしれない。しかしまだ半分の距離なのだ。

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11時頃、100km地点、コンビニ休憩。いやあ、助かった。このままどこまでもコンビニがなかったらどうしようかと思った。ハンガーノックには注意してしすぎるということがない。カステラ、羊羹、エネルギーゼリー、水で補給。

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7号線に出た。いよいよ海沿いの路線。まもなく道の駅・鳥海に到着。そうだ、岩牡蠣を食べていこう。道の途中の計画なんかあってないようなもので、べつにグルメの旅にしなくてもいいが、唯一これだけは目論んでいた。牡蠣を食べさえすれば、あとはなんだっていい。チェーホフの『牡蠣』に出てくるあの貧しい少年が両手を差し出して懇願したように、僕も叫ぶのだ。「牡蠣をくださあい!」

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また、走り出して、と。近くまできていながら、なかなか見えないな、と思っていたら…ようやく見えた。日本海!

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秋田県に入りました。しかしここからが長い。秋田は広いよ…。

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1時半頃。象潟の道の駅。おにぎりとイカ焼きと、牡蠣。牡蠣は先ほど食べたのとも味が違う。何十キロも離れているわけでもないが、採れる場所によって味が変わるのかねえ。

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腹は満たしたが…もうスピードが上がらなくなってきた。上げようにも上がらない。でも一定のペースで走っていれば着くよね、きっと。…実際は一定のペースで減速していったというのに近い。つらい…。

そういえば、この7号線を去年の夏も通っていたことを思い出す。ただし自転車ではなく、楽器を積んだトラックで。そのとき僕は某地方オーケストラの事務局に臨時職を得ていた。田舎の小さい小学校で行われる音楽教室。冷房などは当然ない、うだるような暑さのこもる体育館に管弦楽の音が響いていた。まるで淡い夢のように、遠くに思い出される。信じがたいことに、それはほんの一年前のことなのだ。

 

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200kmを越えた。

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最後はぐだぐだ走行。荷物多めのツーリストを一人追い抜いた。あんまり自転車とは会わなかったな。

秋田の市街地へ。結局ガーミン・ナビは最後までおかしいままだった(でもバッテリーの持ちはすばらしい。一日走っても40%くらい残ってた)。秋田市には以前は定期的に来ていたので、なんとなく土地勘はある。ちょうどユニクロがあったので、着替えのTシャツをゲット! ユニクロは家の近くにはなくてもいいが、旅先にはあると便利。

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そして今日の宿、天然温泉こまちに到着! 無事、明るいうちに到着することができた。

 

本日の走行213km。休憩入れて12時間09分、走行だけで8時間59分。

(いま気づいたのだが、213kmというのは今年のツールコルシカ島の第1ステージと同じ距離だ。これを4時間56分で走りきるとか…)

 

自転車は輪行バッグに入れて部屋に持ち込む。こんなの持ち込んだら起こられるかしら、フロントに預けるとかした方がいいのかと、少し配慮する素振りをしてみたが、誰も気にしていないようなのでかまわず持っていった。部屋というよりネットカフェの個室、壁で仕切られているだけの場所だ。ずいぶん安い。まあ安いから選んだというのでもない、宿を探したのは2ヶ月前だったにもかかわらず、どこも一杯でここしか予約を取れなかったのだ。今日は東北三大祭りの一つ、秋田・竿燈祭りなのである。

温泉に入り、ユニクロTシャツに着替えてから、歩いて会場へ。人が一杯で前に進めない。提灯をいくつもぶら下げた竿燈が、ゆらゆらと浮かぶ。その下では竿を肩や頭に乗せるという妙技を繰り広げているのだろうが、後ろからではそれがよく見えない、ただ上の方で、たわんだ竿竹の、微妙なバランスで支えられた緩やかな揺れかたというのが思いのほか美しく、とてもいいものだと思った。

スタバでフラペチーノを食べてからこまちに戻った。共用のパソコンでガーミンを少し充電してから、就寝。

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