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HAGIBLOG

自転車とお菓子作り

小国町きのこサイクリング2013

20131019

 

先日落車したときのけっこうな鈍痛が肩に残っていたため、当日は棄権して療養したほうがいいのだろうと思われた。それが理性的な判断というものだった。にもかかわらず、なんとなく主催者にも連絡しないまま当日を迎えてしまうことになり、さあどうしよう、となった。まあいいや、参加すればいいじゃないか、自転車に乗れないわけでもない。生というのは痛みそれ自体なのだし、痛みは生きている証しなのではないか、そう思われた。だから僕らは自転車に乗るのではないのか、そう思われた。遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけむ…。

 

まったく早起きなんか苦にもならなかった。まだ空が明るむ前に目を覚まし、ようやく朝の光が空に浸透していくころ、遠い遠い小国町を目指した。会場となる旧小玉川小中学校に着くと、すでに多くの参加者が集まっていた。

「きのこサイクリング」ーーそれがこの日走るサイクリングに付けられた名前だった。「きのこ」だとか「サイクリング」だとか、かわいく言っているけど内実はそこそこハードな山岳コースであった。(二年くらい前、まったく走り込みもせずこのサイクリングに参加して、つらかった)。だから、なんか参加者は速そうな人ばっか。

20131019

 

タフマンコース」と「きのこコース」があるとのことだった。当初の予定としては前者を走ってタイムトライアルなぞにも挑戦しようと考えていたのだが、結局けがを慮って(というか日和って)優しめの「きのこコース」を走ることにした。どちらを走っても峠を行くことに変わりはないのだが。

朴木峠。飯豊山麓をバックにみなさんで記念撮影。

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さて、ここから、小国の中心地へ下って、町中をパレード走行をするという。こういう粋な計らいには、いいね! を付けたいと思った。たとえ中心地というのが、人通りもほとんどないこのつつましくわびしい駅前のことを指すのだとしても。いや、駅前の商店の方々にはわざわざ店先に出てもらったりしていた。一軒一軒にいいね! を付けたいと思った。

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謙虚な、質朴な景色の中を走った。静かで緩やかだった。東屋のあるエイドに到着し、支給された大福やパンを食べた。もう少し先の横川ダムに足を伸ばして、ダム見学をした。薄曇りの空の下は寒く、動いてないとすぐに体が冷えた。

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地元の人にはそこここで道案内をしてもらい、その心配りによって安心して走れた。とはいえ僕は携帯も地図も車に置いてきていて、考えてみればこんなところで皆とはぐれたりパンクして走行不能状態に陥ったりしたら、たいへん困ったことになったのではないか。でもそんなに困ったことにもならないかもしれない、とも思われた。その根拠のない安心感はこのサイクリングの連携の良さから来るものであるか、あるいは単に僕の危機管理のなさから来るものなのか、その両方なのか。

 

20131019

 

で、また一つ峠を越えて、ゴールの学校を目指した。緩い上り坂が延々と続いた。道は伸縮するらしい。下ったときはそうでもなかったのが、上りに向かうときはどう考えても長かった。きのこコースのグループの中では一番手か二番手くらいの位置だった。そのもうひと方と、なんとなく競り合うような感じになった。別に競争するつもりはないんだけど、といった振りをしながらお互いに意識しているのは明らか、といった感じで、なんとか食らいつこうとしたのだが、最後は負けた…先に息切れ。結果、2位でゴール(これはレースではありません)。

ゴール後はお待ちかね、楽しいお食事会が開かれた。炭火のコンロでは岩魚が焼かれていた。だけど大会名に付けるくらいだから主役はきのこなのだった。舞茸のきのこご飯にきのこ汁が出た。おいしかった。外れなしの抽選会があった。ぶどうが当たった。

20131019

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この「おぐにサイクリング」シリーズは、春に「わらびサイクリング」、秋に「きのこサイクリング」として開催されている。僕は今回で2度目の参加だった。

小国町なんて、こう言ったら怒られるかもしれないが山形のどん詰まりみたいなもので、だから取るに足らない土地だと思っていた。数年前は通り過ぎるだけの町だった。それが、これからは年に一回か二回、ほとんど楽園に向かうような、気持ちを高揚させて訪れる場所になるのかもなと、そんな予感。