今年のツールドラフランスは555回記念、ではなく、かみのやま温泉開湯が555周年ということで、55、5kmコースの新設と定員も555名へと増えたらしい。それで、そうかそうか今年は出てやろうかと思ってエントリーしようとしたら、とっくに定員オーバーで応募できなかった。募集が始まって3、4日のことだった。早すぎだろ。どんだけ人気なのか。やれやれ。
とはいえ天邪鬼な性格なので、人気のあるイベントには出なくてもいいか、という気がしなくもないのだが、それでも、なんとなく今年は出たかった気がした。
ツールドラフランスが私の原点、とまでは言わないにせよ、自転車の乗りはじめの頃に初めて参加したイベントだった。とても楽しかった。でもその次の年も参加したら、同じコース、同じ休憩所、同じ芋煮、とイベントの展開が同じように進行し、というか自分が撮ってる写真が同じようなところで同じように撮ってるなあと気づいたので、3回連続はいいかと思って去年は出なかった。今回はよくわからないけど記念のようだし、コースも長くなる、今年のラフランスはひと味違うようだぞ、と期待した矢先にこれだ。まあいいや。 いいやと思いつつ後ろ髪を引かれる思いがあるのかないのか、気がつけば、とある秋晴れの日のサイクリングはツールドラフランスの会場となる上山市に向かっていたのであった。まあ、あんまり来ないところだから、上山城でも見物して帰ろう。
この市役所広場をスタートして、ラフランスと芋煮を求める55、5kmとやらの旅路が始まるわけだ。距離も距離だからそこまで苦しい思いもせず、ただひたすら楽しいだけの、穏やかな、和気あいあいとした旅路となるに違いない。ふうん、別にうらやましくなんかないけどさ。
上山から戻った僕は、ドコモショップに向かう。iPhoneを受け取りに。
そう、スマホさえあればよかったのだ。募集が始まった日には、知人にわざわざ知らせてもらっていたのだ。そのときすぐエントリーを済ませていれば…。ところが家ではネットも使えないしスマホの類いも持ち合わせていない、そんな環境に僕はいた。
それでいいと思っていた。でも時代の趨勢は違うらしい。人はスマホで瞬時に自転車イベントに参加しているというわけだ。スマホがなければスタートラインにも立てないのが現代なのだ。
折も折、iPhoneがドコモから出るというので、ずっとドコモを使っていた身としてはこれでよかろうというわけで、ネットでiPhone 5cの予約をし、けれども取りに行く時間がなく、発売から1週間も過ぎてからようやく取りに行ってきたんだとさ。来年こそは。