HAGIBLOG

自転車とお菓子作り

あの日見上げた空はコバルトだった、大地は招いていた

20131027

蔵王ダムまで。蔵王ダムは、山間にひっそり佇む要塞みたいで異様な雰囲気だった。

コースとしては一本道を行って折り返すだけの単純なコース。そういえば、このへんは高校のマラソン大会で走ったのではなかったろうか。まさか蔵王ダムまで行ってはいないが、この坂道のどこか途中で折り返したはずだった。

20131027

その校内マラソンでは部活ごとに順位が出るのだが、僕の所属していた美術部は、今はどうか知らないが当時はなぜか毎年のように文化部で一位をとっていたのだった。だから自分たちの代で連覇を途切れさせてはいけない、なんていう妙なプレッシャーがあり、大会前にはくそ真面目に走り込みをするということをやった。少なくとも僕の他に一人か二人は、準備して大会に臨んだんじゃないかな。

まあそんな努力のかいあって、僕たちの代では文化部一位の座を守った。しかし文化部でマラソン一位だなんて、どれだけ誇れることなのだろう。だいたい文化部の連中なんてのはマラソン大会なんかちゃんと走ったりはしないから(仲間内でつるんで歩くか、限りなく歩きに近い速度でちんたら走るか)、何人かが真面目に走るだけでその部は自動的に一位になったのだろうと思う。それでも、僕らはときには真面目になったし、それを楽しんだ。いま振り返るなら臆面もなく輝かしいとさえいいたい高校生活の、思い出す日々の空はいつでも真っ青な晴天だった。今日のような灰色の重い空ではなかったはずだった。

20131027

帰りは千歳山万松寺に立ち寄って参拝してきた。奥の方に阿古耶姫の墓碑があるというので見にいった。苔むした石畳は、ビンディングシューズのクリートにとっては氷と同じだった。つるつる滑って非常に恐ろしかった。

20131027